テレワーク勤務制度の導入にあたり、法律・IT・助成金に精通した専門家から、
経営者・従業員双方の視点を加味したアドバイスを頂けました。

ファイルフォース株式会社
ファイルフォース株式会社
https://www.fileforce.jp/
業種:法人向けクラウドストレージサービスの開発・販売
従業員数:8名

法人向けクラウドストレージサービスであるFileforceの開発・販売をされているファイルフォース株式会社様。
Fileforceは「可視化・セキュリティ・コンプライアンス・脅威防止」といった4つの機能を備えたファイル共有・管理サービスであり、大手企業から中小企業まで、多くの企業が導入されています。
今回は執行役員CFO 経営企画室長の高原 慎太郎様にお話を伺いました。


テレワーク勤務制度は、労使双方に非常にメリットとなる制度

- 貴社では、以前からテレワーク勤務制度を導入されていたのでしょうか?

弊社では、以前より極少数の従業員から申請があった場合に自宅での業務遂行を許可していました。目に見える形で制度は導入していなかったものの、実態としてテレワーク勤務を行っている状況でした。

少し具合が悪いけれど休む程ではないといった場合、セキュリティ面やお客様対応に問題がなければ、自宅で勤務しても全く問題ないというのが弊社の考えです。現在は、小学生のお子さんがいらっしゃる女性従業員がテレワーク勤務を行っていますが、プライベートとの両立ができるため非常に喜ばれています。例えばお子さんが風邪になった・PTA等の学校行事に参加するといった場合、いちいち有給を使って終日休むのは非効率的だと思います。会社としても、終日休まれるよりは、多少なりとも継続的に仕事をしてもらう方が助かります。「毎日●時間働いてもらわなければならない」といった時間管理は重要ではなく、多少労働時間を柔軟にしたとしても、トータルで見て業務が遂行できていればOKと考えています。

ただテレワーク勤務を行うにあたり、労務面で気を付けるべき事が分からない、また規程面の整備が追い付いていない状況でした。

ファイルフォース株式会社

制度をきちんと形にする事で、採用のしやすさ向上などの良い効果がありました

- 今回働き方コーディネートにおいて、従業員アンケート調査をもとに、具体的な制度の設計・規程整備を行いました。

同じテレワーク勤務制度でも、希望する運用ルールは人それぞれ異なります。その為、TRIPORTさんより従業員の皆さんに対して、理想とする働き方についてのアンケート調査を実施してもらいました。その結果をふまえ、労使双方の意見を反映した形で各規程へ落とし込み、TRIPORTさんと一緒にルール整備を行いました。打ち合わせも実施し、きちんと法律面のアドバイスをもらった上で、弊社に適した形にカスタマイズして下さったので助かりました。

上記を実施した事によるメリットとしては、今まで目に見える形で整備されていなかったテレワーク勤務制度を形にする事ができたため、会社・従業員それぞれが非常に安心できたという点が挙げられます。

また弊社では現在採用活動を行っていますが、テレワーク勤務制度がある事をアピールできるのも非常にメリットになっていると感じています。労働人口の減少等により、今後ますます採用が難しくなっていくと思われますが、テレワーク勤務制度を希望する求職者は増えている為、弊社での採用時にとても有利になりました。

- 企業にとって働き方改革は必要だと思いますか?

絶対に必要だと思っています。今の働き方は、数十年前と比べて大分変化しており、従業員が時間・場所を拘束されながら会社のために必死に働くという構造ではなく、会社と従業員が対等な関係になってきていると思います。

そのため会社は従業員に対して、働きやすい環境を提供しなければ、良い人材を獲得する事ができません。また同じ1日8時間の労働であっても、「9時~18時という一定の拘束時間の間で働く事ができる人材」もいれば、「9時~18時の拘束は難しいが、●時~●時、●時~●時の合計8時間であれば働く事ができる人材」もいます。そのような多様な人材を採用する事が出来れば、会社としてもメリットがあります。

また、今までは会社に出社する事が当たり前で、会社には人数分のデスクやPCを用意し、それだけの広さを確保する必要がありました。しかしテレワーク勤務制度を導入すれば、広いオフィスも必要なく、固定費が削減できます。「会議ができる場所」「会いたい時に集まれる場所」は必要だと思いますが、必要最低限で良いと思いますし、常日頃働く場所は自由にする方が、お互いに効率的だと思います。

ファイルフォース株式会社

常に最新の情報をキャッチアップしていく

- 今後は、働き方改革にどのように取り組んでいきたいと思いますか?

弊社の従業員数は現在8名ですが、ありがたい事に昔から長く勤めてくれている方ばかりです。離職率が高い等、何か大きく目立った課題が発生している訳ではありません。ただ、今後採用を強化していく予定ではありますので、従業員数が増えた時に問題が発生しないよう、追加の予防策・対策は考えておかなければならないと考えています。

また、現在導入している制度はテレワーク勤務制度のみではありますが、今後は世の中の情報に常にアンテナを張りつつ、会社の規模や状況に応じて様々なサービスを取り入れていきたいと考えています。例えば、弊社のオフィスは現在1か所のみですが、新しいサテライトオフィスが開設された等の情報は、キャッチアップしていく必要があります。

例えばご家族の転勤といった場所的制約が発生した場合、従来は今まで勤めていた会社を退職するのが常識でした。しかし働き方を柔軟にする事により、従業員の選択肢自体を増やす事ができ、会社としても離職防止に繋がる等、双方にメリットがあります。

今後も自社に適した制度や情報について、積極的に収集していこうと考えています。

- 日々変わっていく世の中や会社の状況に応じて、働き方改革に継続的に取り組んでいく必要がありますね!
高原様、本日はありがとうございました。